○消防用無線局管理運用規程
昭和60年9月1日
消防長訓令第4号
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、電波法(昭和25年法律第131号。以下「法」という。)及びこれに基づく命令に定めるもののほか、消防通信施設及び通信機械器具(以下「消防通信設備」という。)の管理並びに通信方法について、必要な事項を定め効率的運用を図ることを目的とする。
(1) 消防通信 災害の対処又は消防活動上必要な有線若しくは無線を媒体とする通信をいう。
(2) 無線設備 法第2条第4号に規定する無線設備をいう。
(3) 無線局 無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。ただし、受信のみを目的とするものは、この限りではない。
(4) 基地局 陸上移動局と通信を行うため、陸上に開設する移動しない無線局をいう。
(5) 陸上移動局 陸上を移動中又はその特定しない地点に停止中運用する無線局をいう。
(6) 協議会 高崎市・安中市消防組合、利根沼田広域市町村圏振興整備組合、渋川地区広域市町村圏振興整備組合、多野藤岡広域市町村圏振興整備組合、富岡甘楽広域市町村圏振興整備組合及び吾妻広域町村圏振興整備組合が、消防指令に関する事務を共同して管理し、並びに執行するために、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の2の2第1項の規定により設置された高崎市・安中市消防組合ほか5一部事務組合消防指令事務協議会をいう。
(7) 指令センター 協議会事務を処理するために高崎市等広域消防局内に設置された施設であるたかさき消防共同指令センターをいう。
(8) 無線従事者 無線設備の操作を行う者であって、総務大臣の免許を受け、かつ、当該無線設備を操作する資格を有する者をいう。
(9) 通信取扱者 無線従事者その他の消防通信設備を取扱う者をいう。
(他の法令等との関係)
第3条 消防通信設備の管理及び通信方法について、他の法令等の定めによるもののほか、この規程に定めるところによるものとする。
(免許人)
第4条 無線局の免許人は、富岡甘楽広域市町村圏振興整備組合とする。
(無線局の種別等)
第5条 無線局の種別及び周波数の使用区分は、別表第1のとおりとする。
2 卓上型固定移動局は、非常時において搬送使用できる状態とし、固定型外部空中線については、基地局が使用できない等の非常時において使用するものとする。
3 無線局の識別信号は、別に定める。
(総括責任者)
第6条 総括責任者は、消防長とする。
2 総括責任者は、消防通信設備の管理及び運用の業務を総括し、管理運用責任者を指揮監督する。
(管理運用責任者)
第7条 管理運用責任者は、警防課長とする。
2 管理運用責任者は、消防通信設備の管理及び運用に関する事務を総括し、次の各号に掲げる事項を分掌する。
(1) 消防通信の統制に関すること。
(2) 消防通信設備の保全、点検及び整備に関すること。
(3) 消防通信に関する研修、指導及び訓練に関すること。
(4) 無線免許申請の手続きに関すること。
(5) 消防通信に関する記録及び書類の管理に関すること。
(6) 無線局に備付ける業務書類の管理に関すること。
(7) その他消防通信に関すること。
(取扱責任者)
第8条 取扱責任者は、所属長とする。
2 取扱責任者は、管理運用責任者の命を受け、所属の通信取扱者を指揮監督し、消防通信設備の適正な管理及び運用に努めなければならない。
(通信取扱者)
第9条 通信取扱者は、管理運用責任者及び取扱責任者の命を受け、常に消防通信設備の適正な運用に努めなければならない。
(指導)
第10条 管理運用責任者は、消防通信設備の機能を正常に維持し、かつ、適正な通信の疎通を図るため、消防通信設備の管理、通信方法その他必要な指導を行わなければならない。
(無線従事者の養成)
第11条 管理運用責任者は、無線局の適切な運用を図るため計画に基づき、無線従事者の養成に努めなければならない。
(無線局の無線設備の操作)
第12条 基地局の無線設備の操作は、無線従事者として選任されている者でなければならない。
(周波数の管理等)
第13条 職員は、無線局が使用する電波の周波数をみだりに外部に漏らしてはならない。
2 管理運用責任者は、前項に規定する周波数を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。
(通信機器の新設等)
第14条 取扱責任者は、消防通信設備の新設、改造、変更及び移設を行うときは、管理運用責任者を経て、総括責任者の承認を得なければならない。
第2章 消防通信設備の管理
(配置)
第15条 管理運用責任者は、消防通信設備を配置するときは適正に行わなければならない。
(保管)
第16条 取扱責任者は、配置を受けた陸上移動局を適正に保管しなければならない。
(点検の種別)
第17条 管理運用責任者及び取扱責任者は、通信取扱者に対して次の各号に掲げる区分により、適正な消防通信設備の点検を行わせなければならない。
(1) 定時試験通信時点検
(2) 使用後の点検
(3) 定期点検及び保守点検
(点検の方法及び記録)
第18条 定時試験通信時点検は、定時試験通信時に通信取扱者が次の各号に掲げる点検を行い、点検結果、整備概要等を記録するものとする。
(1) 員数の確認
(2) 外観構造の異常の有無
(3) 機能の良否
(4) 整備等の状況
(応急措置)
第19条 取扱責任者及び通信取扱者は、消防通信設備に障害が発生したとき、又はその使用に支障が生じるおそれがあるときは、応急措置として他の通信方法を確保しなければならない。
(事故発生時の措置)
第20条 消防通信設備の損傷又は亡失事故が発生したときは、通信取扱者は直ちに事故内容、事故発生原因等を取扱責任者に報告しなければならない。
2 報告を受けた取扱責任者は、直ちに管理運用責任者に報告しなければならない。
3 管理運用責任者は、前項の報告を受けたときは、直ちに必要な処置を講じなければならない。
4 管理運用責任者は、第2項に規定する報告を受けた場合において、消防活動上重大な支障があると認めるときは、その概要を直ちに総括責任者に報告しなければならない。
第3章 通信方法
(通信方法)
第21条 管理運用責任者は、通信取扱者に適正な方法により通信を行わせなければならない。
2 管理運用責任者は、無線通信訓練を毎年1回実施するものとする。
3 無線通信の通信方法、無線略語その他の無線通信に関する事項については、別表第2に掲げる要領及び協議会の定めるところにより運用するものとする。
(監視)
第22条 取扱責任者は、通信方法及び消防通信設備の機能の良否を監視するものとする。
第4章 書類及び諸報告
(書類)
第23条 消防通信設備の保管及び点検整備に関する記録を整理するため、無線局の設置場所には必要に応じて次の各号に掲げる関係書類を備付けておくものとする。
(1) 無線局台帳
(2) 無線検査簿
(3) 電波関係法令集
(4) 無線従事者選解任届の写し
(5) その他必要があると認めるもの
(書類の管理)
第24条 無線局の設置場所に備付ける書類の管理責任者は、取扱責任者とする。
2 取扱責任者は、前条に規定する関係書類を適正に管理しなければならない。
(無線従事者選解任届の提出)
第25条 管理運用責任者は、法第51条に規定する無線従事者の選任又は解任の手続きをしなければならない。
第5章 消防通信の運用
(通信種別)
第26条 通信種別は、通信内容の緩急と重要度に応じて次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 非常通信は、法第52条及び同法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)第37条の規定により使用する。
(2) 緊急通信は、災害通報、出動指令、応援出場、指揮命令、現場報告、活動支援情報、業務通信及び消防情報通信に区分する。
(3) 通常通信は、非常通信、緊急通信を除いた災害以外の消防業務に関し、指令センター又は署所若しくは消防部隊間で行う消防通信に用いる。
(優先順位)
第27条 消防通信は、通常通信より緊急通信を優先する。
2 緊急通信又は通常通信内での通信順位は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 緊急通信が競合するときの通信順位は、災害通報、出動指令、応援要請、指揮命令、現場報告、活動支援情報、業務通信及び消防情報通信の順位とする。
(2) 通常通信が競合するときの通信順位は、連絡通報、情報伝達、訓練通信その他の消防業務に関する通信の順序とする。
3 前項各号の通信は、劣位の通信を中断して行われなければならない。
(無線局の開局及び閉局)
第28条 無線局の開局及び閉局は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 基地局は、常時開局しておくものとする。
(2) 陸上移動局は、出動、出向又は試験通信を実施するときに開局する。
(3) 陸上移動局を一時閉局するときは、指揮管理課又は指令センターに対して、連絡方法を明らかにしなければならない。
(4) 前各号に掲げるもののほか、有線電話に障害を生じたとき、若しくはそのおそれがあるとき、又は大災害等が発生してその必要があると認めるときは、直ちに陸上移動局を開局し、指揮管理課又は指令センターの指示があるまでは閉局してはならない。
(混信等の防止)
第29条 無線通信を行うときは、他局が無線通信を行つていないことを確認して行う。
2 緊急通信を行うときは、前項の規定を適用しない。この場合において行う緊急通信は、他局の無線通信の区切りを待ってから割込み通話を行う。
3 無線通信が20秒以上にわたるときは、緊急割込み等を容易にするため、約20秒以内ごとに2~3秒間電波の発射を中止する。
(秘密の保護)
第30条 消防通信上知り得た内容を外部に漏らしたり、これを窃用してはならない。
(周波数の切替え)
第31条 統制波、主運用波及び活動波を持つ無線局については、無線通信の運用上必要があると認めるときは、周波数を切替えて通信を行うことができる。
2 指揮本部長は、無線通信の運用上必要があると認めるときは、陸上移動局に対し周波数の切替えを指示できるものとする。
(無線通信の監視及び統制)
第32条 基地局は、常時陸上移動局の通信状況を監視し、通信の適正及び能率的運用に努めなければならない。
2 災害が発生し、通信がふくそうし、又はふくそうが予想されるときは、警防本部長又は警戒本部長若しくは指揮本部長が通信統制を実施する。ただし、次の各号に掲げる無線通信については、通信統制することを要しない。
(1) 要救助者情報、危険物情報、事故報告等
(2) 災害通報
(3) 消防隊の増強要請
(4) その他、特に緊急を要する通信
3 警防本部長又は警戒本部長若しくは指揮本部長は、通信統制の必要が無くなったときは、直ちにこれを解除しなければならない。
(目的外使用の禁止)
第33条 消防通信設備をみだりに消防業務以外に使用してはならない。
2 通信取扱者は、消防通信で知り得た情報を消防業務以外の目的のために使用してはならない。
第6章 消防通信設備障害時
(措置)
第34条 管理運用責任者及び取扱責任者は、所属の消防通信設備に障害等が発生したときは、次の各号に掲げる措置をとるものとする。
(1) 有線電話が途絶したときは、無線通信その他の方法により通信を確保する。
(2) 無線電話を運用する上で、基地局に障害があるときは陸上移動局をもつて運用し、陸上移動局の車載型移動局に障害があるときは携帯型移動局をもつて運用する。
第7章 雑則
第35条 この規程に定めるもののほか必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この規程は、公布の日から施行する。
附則(平成7年5月24日消防長訓令第1号)
この規程は、公布の日から施行する。
附則(平成28年10月17日消防長訓令第2号)
この訓令は、平成29年1月1日から施行する。
附則(平成30年3月6日消防長訓令第2号)
この訓令は、平成30年4月1日から施行する。
別表第1(第5条関係)
(1) 無線局の種別
種別 | 内容 | |
基地局 | 協議会により設置された無線局 | |
陸上移動局 | 車載型移動局 | 車両に搭載された無線局 |
卓上型固定移動局 | 各署所に設置された半固定型の無線局 | |
可搬型移動局 | 指揮本部用に搬入設置できる無線局 | |
携帯型移動局 | 通信取扱者が携帯して使用する無線局 |
(2) 周波数の使用区分
使用内容 | ||
活動波 | 活動波1 | 管轄区域内において、消防活動その他の消防業務を行うとき。 |
活動波2 | 管轄区域内において、救急業務を行うとき。 | |
共通波 | 主運用波 | 県内において、消防活動その他の消防業務を行うとき。 |
統制波 | 県外において、緊急消防援助隊の活動を行うとき。 県内において、県外からの緊急消防援助隊と共に活動を行うとき。 |
別表第2(第21条関係)
項目 | 通信方法 | 留意事項 | |||
呼出し | 1 普通通話の呼出し (1) 自局の識別信号 1回 (2) から 1回 (3) 相手局の識別信号 1回 (または呼出名称) 2 至急通話の呼出し (1) 至急 2回 (または「5秒の一斉音」1回) (2) 自局の識別信号 1回 (3) から 1回 (4) 相手局の識別信号 1回 (または呼出名称) 3 訓練通話の呼出し (1) 自局の訓練識別信号 1回 (「訓練・自局の識別信号」) (2) から 1回 (3) 相手局の訓練識別信号 1回 (「訓練・相手局の識別信号」) | 1 通話開始前の注意について 通信を開始しようとするときは、他の通信に混信を与えないかどうかを確かめ、他の通信に混信を与えるおそれがあるときは、その通信が終了した後でなければ通信を開始してはならない。 2 識別名称について | |||
区分 | 内容 | ||||
各局 | 同一通信系を構成する無線局の全てを呼出しする場合 | ||||
移動局 | 同一通信系を構成する移動局の全てを呼出しする場合 | ||||
各隊 | 同一通信系を構成する移動局のうち、災害出動中の移動局の全てを呼出しする場合 | ||||
3 至急通話の優先取扱について (1) 至急通話の通信は、普通通信の通信中に割込んで行うことができる。 (2) 普通通話を通信中の無線局は、他の無線局が至急通話の通信を行うための呼出し、又は通信開始の要求を聴取したときは、直ちに普通通話の通信を中止するものとする。 | |||||
再呼出し | 呼出しを行っても相手局の応答がないとき、その呼出しを行った無線局は10秒以上の間隔をおいて更に2回呼出しを行わなければならない。それでもなお応答がないときは、1分以上経過した後でなければ呼出しを行ってはならない。 ただし、他の通信に混信を与えるおそれがないと認められるとき、又は至急通話の送信を行う場合は、この限りでない。 | ||||
呼出しの中止等 | 1 混信を与えている無線局の識別信号が判明している場合 (1) 混信を与える無線局の識別信号 1回 (2) しばらく待て 1回 2 混信を与える無線局の識別信号が不明の場合 しばらく待て | 自局の呼出しが他の既に行われている通信に混信を与えている旨の通信を受けたときは、直ちにその呼出しを中止しなければならない。 | |||
応答 | 1 基地局が普通通話の呼出しに対して応答する場合 (1) 相手局の識別信号 1回 (2) どうぞ 1回 2 基地局が至急通話の呼出しに対して応答する場合 (1) 至急 2回 (2) 相手局の識別信号 1回 (3) どうぞ 1回 3 基地局が訓練通話の呼出しに対して応答する場合 (1) 訓練・相手局の識別信号 1回 (2) どうぞ 1回 4 基地局以外の無線局が普通通話の呼出に対して応答する場合 (1) 自局の識別信号 1回 (2) です 1回 (3) どうぞ 1回 5 基地局以外の無線局が至急通話の呼出しに対して応答する場合 (1) 至急 2回 (2) 自局の識別信号 1回 (3) です 1回 (4) どうぞ 1回 6 基地局以外の無線局が訓練通話の呼出しに対して応答する場合 (1) 訓練・自局の識別信号 1回 (2) です 1回 (3) どうぞ 1回 | ただちに受信できないときは、「どうぞ」に代えて「しばらく待て」を送信する。 | |||
不確実な呼出しに対する応答 | 自局に対する無線局の識別信号が不明の場合 (1) 自局の識別信号 1回 (2) です 1回 (3) さらに 1回 (4) どうぞ 1回 | 1 自局に対する呼出しであるが、呼出しを行った無線局の識別信号が不明であるときは応答するものとする。 2 自局に対する呼出しであることが明らかでない呼出しを聴取したときは、それが反復され、かつ、自局に対する呼出しであることが判明するまで応答しないものとする。 | |||
通信事項の送信 | 1 解信を求める場合 (1) 通信事項 (2) どうぞ 1回 2 解信を求めない場合 (1) 一方送信 (2) 通信事項 | 1 通信事項について、相手局の解信を求めるときは、通信事項の次に「どうぞ」を送信する。 2 通信事項について、相手局の解信を求めないときは、通信事項の前に「一方送信」を冠する。 | |||
解信 | 1 普通通話及び至急通話の場合 (1) 自局の識別信号 1回 (2) 了解 1回 2 訓練通話の場合 (1) 訓練・自局の識別信号 1回 (2) 了解 1回 | 1 通信事項を受信したときは、折り返し解信を行わなければならない。 2 複数局の呼出しのときは、呼出しを受けた順に解信するものとする。 3 基地局側から応答を求められた移動局は、了解の旨の解信を行う。 ※ 無線局運用規則(昭和25年電波監理委員会規則第17号)の規定により、確実に連絡の設定ができると認められる場合において、その通話中に少なくとも1回以上、自局の無線局識別名称を送信すれば、無線局識別名称を省略することができるものとする。 | |||
解信の要求 | (1) 相手局の識別信号 1回 (2) 了解か 1回 (3) どうぞ 1回 | 通信事項の送信終了後、解信を要求しても相手局が解信しないときは、解信要求を行うことができる。 | |||
再送要求 | (1) 自局の識別信号 1回 (2) です 1回 (3) 再送(反復)せよ 1回 (4) どうぞ 1回 | 通信事項が不明確なときは、再送の要求を行うことができる。 | |||
通信の終了 | 1 通信の終了 (1) 以上 1回 (2) 自局の呼出名称 1回 2 訓練通信の終了 (1) 以上 1回 (2) 訓練・自局の識別信号 1回 | 通信の終了は、呼出しを行った無線局が送信しなければならない。 ※ 通信の終話が明らかでふくそうがないと認められるときは、「以上○○」を省略できるものとする。 | |||
試験電波の発射 | (1) 自局の識別信号 1回 (2) ただいま試験中 1回 (3) 本日は晴天なり 3回 (約10秒で1度切る。) |